【2026年最新・投資の税金知識】
新NISAがスタートして数年が経ち、口座内の資産や配当金が増えてきた方も多いのではないでしょうか?
そこで多くの投資家がぶつかる疑問が、「新NISAで得た利益は、確定申告した方がいいの? しちゃダメなの?」という問題です。
結論から言うと、新NISAは「非課税」が最大のメリットであるため、原則として確定申告は「不要(むしろしてはいけない)」です。しかし、実は特定のケースにおいて「申告が必要になる、あるいは他の口座との関係で注意が必要になるパターン」が存在します。今回は、新NISAの確定申告の境界線を会計士が分かりやすく整理します。
1. 【原則】新NISAの利益で確定申告が「不要」なケース
まずは、大半の投資家が該当する「確定申告をしなくていいケース」です。新NISA口座内で完結している取引であれば、税務署への報告は一切必要ありません。
- 新NISA口座内で株や投資信託を売却し、値上がり益(譲渡益)が出たとき
- 新NISA口座内で国内株の配当金や、投資信託の分配金(普通分配金)を受け取ったとき
- 新NISA口座内で年間を通じてトータルで「マイナス(損失)」になってしまったとき
これらはすべて自動的に非課税枠の扱いとなるため、いくら大きな利益が出ても、あなたの会社の年末調整や住民税の金額に影響を与えることはありません。副業禁止の会社に勤めている方でも、安心して利益を受け取ることができます。
2. 【要注意】新NISAでも確定申告が「必要」または「罠」になる3つの例外
「非課税口座だから何があっても関係ない」と思い込んでいると、後から思わぬ税金が発生したり、手続きに追われたりするケースがあります。以下の3点には特に注意してください。
① 米国株の配当金(現地課税10%)は新NISAでも引かれている
新NISA口座で米国株(アップルやテスラなど)や、米国のETF(VYMやQQQなど)を保有している場合、配当金に対して**米国現地で10%の税金が自動的に徴収**されています。
日本の税金(20.315%)は非課税になりますが、この米国に取られた10%は新NISAの仕組み上、戻ってきません。通常、課税口座であれば「外国税額控除」を使って確定申告をすれば取り戻せるのですが、新NISA口座内の米国株配当金については外国税額控除の対象外(確定申告しても取り戻せない)となっています。
② 国内株の配当金の受取方法を間違えると「一斉課税」の罠
ここが初心者が一番やってしまいがちな大失敗です。国内株の配当金を非課税にするためには、証券口座での受取方法を必ず「株式数比例配分方式」に設定しておく必要があります。
もし、銀行口座で受け取る方法(配当金領収証方式や登録配当金受領口座方式)を選んでいると、新NISA口座で保有していても**自動的に約20%の税金が引かれてしまいます。**
この場合は、引かれてしまった税金を取り戻すために「確定申告(総合課税または申告分離課税)」が必要になります。ただし、申告するとその分の利益があなたの「総所得」にカウントされてしまうため、会社の副業調査や翌年の住民税・国民健康保険料に影響が出るリスクが生じます。必ず事前に証券会社の設定を確認してください。
③ 「特定口座」や「一般口座」の損失とは相殺(損益通算)できない
新NISAより前に購入した株や、枠を超えて「特定口座」で運用している株で大損が出てしまったとします。「新NISAの利益と、特定口座の損失をがっちゃんこ(損益通算)して確定申告すれば税金が安くなるのでは?」と考える方が非常に多いです。
しかし、税法上、新NISA口座内の利益も損失も「最初から存在しないもの」として扱われます。そのため、特定口座のマイナスと新NISAのプラスをぶつける確定申告は一切できません。
3. 【早見表】口座別の確定申告の要・不要判定
新NISA口座とそれ以外の口座を併用している方向けに、どのような組み合わせなら確定申告が必要(またはお得)になるのかを一覧表にまとめました。
| 運用している口座の状況 | 確定申告の要・不要 | 理由・アクション |
|---|---|---|
| 新NISA口座のみ(利益も損もすべて) | 一切不要 | 何もする必要はありません。税金は1円もかかりません。 |
| 新NISA + 特定口座(源泉徴収あり・利益あり) | 原則不要 | 特定口座側で税金が自動引き去りされているため、申告しなくて安全です。 |
| 新NISA + 複数の特定口座(片方プラス、片方マイナス) | 申告するとお得! | 新NISAは無視して、特定口座同士の損益通算のために確定申告をすると税金が戻ります。 |
💡 会計士からのアドバイス
新NISAは投資家にとって最強の味方ですが、「配当金の受取設定」を一つ間違えるだけで、非課税のはずの利益に課税されてしまうという落とし穴があります。
また、新NISA以外の口座(特定口座や一般口座、または仮想通貨やFXなど)を組み合わせて運用している方は、申告の組み合わせ次第で手残りの現金が大きく変わることがあります。
「自分の口座の設定は本当に大丈夫かな?」「今年は他の口座で損が出たけれど、新NISAとどう整理すればいい?」など、少しでも不安な点があれば、取り返しのつかなくなる前に当事務所までお気軽にご相談ください。


