【会計士が解説】株の損失を通算して節税!『損益通算』と『繰越控除』のやり方完全ガイド

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【プロが教える株の税金】

「今年は株で損を出してしまった…」と落ち込んでいませんか?実は、その損をそのままにしておくのは非常にもったいないです!
日本の税制には、株の損失を賢く利用して税金を取り戻す(または将来の税金を減らす)ことができる「損益通算」「繰越控除」という強力な仕組みが用意されています。

本記事では、専門用語をできるだけ使わず、会計士の視点から「どうすれば一番お得に節税できるのか」「具体的な手続きはどうするのか」をステップ・バイ・ステップで分かりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 「損益通算」と「繰越控除」の基本的な仕組みと違い
  • あなたがいくら税金を取り戻せるかのシミュレーション
  • 確定申告をする際の注意点と具体的なやり方

1. 基本をマスター!「損益通算」と「繰越控除」とは?

まずは、この2つの制度がどのようなものか、シンプルに理解しましょう。

① 損益通算(その年の利益と損失を相殺する)

損益通算とは、同じ年(1月1日〜12月31日)に発生した株の「利益」と「損失」をプラスマイナスすることです。

例えば、A銀行の口座で50万円の利益(利益が出た時点で約20%の税金が引かれています)が出て、B証券の口座で30万円の損失が出た場合、これらを合算して「今年の利益は差し引き20万円だった」と計算し直すことができます。これにより、30万円の損失分にかかっていた税金(約6万円)が手元に戻ってきます。

② 繰越控除(引ききれなかった損失を3年間キープする)

「損益通算をしても、まだ損失の方が大きい」「今年は全くだめ(トータルでマイナス)だった」という場合に使用するのが繰越控除です。

マイナス分を最長3年間にわたって国に記録(キープ)しておくことができ、翌年以降に出た株の利益から差し引くことができます。

2. 【早見表】いくら戻る?節税効果シミュレーション

株の利益にかかる税率は、一律で20.315%(所得税15.315%+住民税5%)です。大まかに「利益の約2割が税金」と覚えておけば間違いありません。

口座A(利益) 口座B(損失) 通算後の利益 戻ってくる税金(目安)
+50万円 ▲20万円 +30万円 約 40,000 円
+100万円 ▲50万円 +50万円 約 100,000 円
+30万円 ▲50万円 ▲20万円(※) 約 60,000 円

※「▲20万円」は翌年以降に繰り越され、来年以降の利益から差し引くことができます。

3. 会計士が教える、損益通算の「3つの落とし穴」

一見するとメリットしかない制度ですが、実務上、投資家の方がよくやってしまう失敗(落とし穴)があります。

  1. NISA口座の損失は対象外!
    NISA口座は「利益に税金がかからない」代わりに、「そこで出た損失は税金上、存在しないもの」として扱われます。一般の特定口座の利益とNISAの損失を通算することはできません。
  2. 繰越控除は「毎年」確定申告が必要!
    株のマイナスを3年間繰り越すためには、その3年間、株の売買をしていなくても毎年確定申告を続ける必要があります。1年でも申告を忘れると、その時点で権利が消滅してしまいます。
  3. 国民健康保険料が上がるリスク(※要注意)
    会社の社会保険に入っている方は問題ありませんが、自営業やリタイア世代で「国民健康保険」に加入している場合、確定申告をすることで「所得」が増えたとみなされ、翌年の保険料が跳ね上がるケースがあります。還付される税金より保険料の増額が上回らないか、事前の計算が必要です。

4. 確定申告のやり方・かんたん3ステップ

「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでいる場合、同じ証券口座内での損益通算は自動で行われます。しかし、「複数の証券会社をまたぐ場合」や「損失を翌年に繰り越す場合」は、自分で確定申告(還付申告)をする必要があります。

STEP 1 「特定口座年間取引報告書」を準備する

毎年1月中旬〜後半にかけて、各証券会社のマイページから電子交付(PDF)されます。申告するすべての口座分をダウンロードしておきます。

STEP 2 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で入力

画面の指示に従って「株の譲渡所得」の欄を選択し、STEP1で用意した報告書の数字を入力します。スマホとマイナンバーカードがあれば自宅から完結します。

STEP 3 e-Taxで送信して還付を待つ

申告内容に問題がなければ、1ヶ月程度(早いときは2週間程度)で指定した銀行口座に税金が振り込まれます。

💡 会計士からのアドバイスまとめ

株の損失は、確定申告というひと手間をかけるだけで「将来の利益を無税にする切符」や「現金還付」に化ける貴重な権利です。

特に複数の口座を使い分けているアクティブな投資家ほど、この仕組みを知っているかで手残りの資産が大きく変わります。「自分のケースはどうだろう?」と迷ったら、当事務所までお気軽にご相談ください。

プロフィール
ねむりん

公認会計士のねむりんと申します。
このブログでは、日々の勉強や業務を通じて得た気づきや知識を、自分の備忘録も兼ねて発信しています。
会計に関する専門的な内容だけでなく、学びのモチベーション維持、キャリアや働き方についても取り上げながら、同じように努力されている方の参考になれば嬉しいです。

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