リース会計は近年の会計基準改正により、単なる「経理処理の変更」にとどまらず、企業の経営判断や契約戦略にも大きな影響を与える重要論点となっています。
⚡ 2027年4月、新基準が全面適用へ
2027年4月1日以後開始する連結会計年度より、「新リース会計基準」の適用が始まります。
制度理解はもちろん、他部署を巻き込んだ実務対応フローの構築が急務となる今、頼れる「専門書」を手元に置いておくことは必須です。
そこでこの記事では、実務担当者や管理部門、監査法人にお勤めの方に向けて、「実務で本当に役立つ3冊」を厳選してまとめました。
それぞれの書籍が「どのようなフェーズ・役職の方に向いているのか」を解説していますので、選書の手間を省きたい方はぜひ参考にしてください。
編集長(ねむりん)のコメント
私自身は、3冊目に紹介する『実務解説 新リース会計基準のすべて(有限責任監査法人トーマツ)』をデスクに常備して実務にあたっています。
監査法人出身者の視点から、なぜこの本を選んだのかについても後半で詳しく触れています。ぜひ最後までご覧ください。
実務書の決定版 1. 新リース会計の実務対応と勘所
公認会計士の視点:本書の評価
2027年度(予定)からの強制適用が見込まれる「新リース会計基準」対応において、実務家が最も頭を悩ませるのが「リース期間の判定(見積もり)」と「重要性の判断基準」です。
本書の特筆すべき点は、基準書の文言をなぞるだけでなく、「監査法人と企業側の攻防」になりやすいグレーゾーンの判断について、Q&A形式で具体的な落とし所を提示している点です。特に、借手側の処理だけでなく貸手側の論点や、税効果会計とのズレ(申告調整)についても詳述されており、経理実務の現場で辞書として機能する一冊です。
| 出版社 | 中央経済社 |
|---|---|
| 著者 | 井上 雅彦, 藤井 義大(公認会計士) |
| ページ数 | 約 300ページ(推定) |
| 対象読者 | 上場企業の経理担当者、IPO準備室、会計士・税理士 |
主要目次・収録論点
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第1部 新リース会計基準の勘所
- ■新リース会計基準の概要とIFRS第16号との関係
- ■リースの識別:契約にリースが含まれているかの判定フロー
- ■リース期間の決定:延長オプションと解約オプションの評価
- ■使用権資産およびリース負債の計上・測定
- ■短期リースおよび少額リースの免除規定
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第2部 実務上の重要論点Q&A
- Q.不動産賃貸借契約における原状回復費用の資産除去債務
- Q.変動リース料(売上歩合など)の取り扱い
- Q.サブリース取引(転リース)の会計処理
- Q.セール・アンド・リースバック取引の収益認識
- Q.適用初年度の経過措置と累積的影響額の計算
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第3部 税務・開示への影響
- ■法人税法上のリース取引との差異と申告調整
- ■税効果会計の適用(将来減算一時差異のスケジューリング)
- ■注記実務:開示が求められる定性的・定量的情報
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導入プロジェクトの羅針盤 2. 2027年4月全面適用! 新リース会計基準 早わかり実務ガイド
公認会計士の視点:本書の評価
新基準の導入において、経理担当者が最も苦労するのは「会計処理」そのものではなく、**「現場(他部署)からの網羅的な契約情報の収集」**です。
本書は、東陽監査法人が編纂しており、仕訳テクニックよりも「導入プロジェクトの全体管理(PMO)」に主眼が置かれています。経理部だけでなく、総務・法務・購買部門を巻き込んだフローチャートや、内部統制(J-SOX)への影響範囲が整理されているため、**「社内説明資料」や「業務フロー図」を作成する際のベース資料**として非常に優秀なガイドブックです。
| 編者 | 東陽監査法人(Crowe Toyo & Co.) |
|---|---|
| 出版社 | 清文社 |
| 特徴 | フローチャート多用 / 内部統制対応 |
| 対象読者 | プロジェクト責任者、CFO、内部監査室 |
主要目次・収録論点
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第1章~第2章 適用スケジュールと影響分析
- ■2027年4月適用に向けた逆算スケジュール(ロードマップ)
- ■経営へのインパクト分析(BS肥大化と財務指標への影響)
- ■「重要性がある」と判断される契約の洗い出し基準
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第3章~第4章 部門別対応と社内連携
- ■【購買・総務】契約書管理データベースの構築要件
- ■【法務】契約条項の改定ポイントとチェックリスト
- ■社内学習会・説明会の進め方と資料テンプレート
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第5章・付録 監査・統制の実務
- ■新リース基準に対応した内部統制(RCM)の整備
- ■IFRS(国際会計基準)適用企業との差異分析
- ■導入準備チェックリストと業務記述書サンプル
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監査対応の決定版バイブル 3. 実務解説 新リース会計基準のすべて
公認会計士の視点:本書の評価
大手監査法人トーマツが総力を挙げて執筆した本書は、まさに「監査対応のバイブル」と呼べる一冊です。
他の書籍との最大の違いは、**「なぜその処理になるのか?」という理論的背景(結論の背景)**まで踏み込んで解説されている点です。会計監査では、監査人から「この判断の根拠は?」と問われた際に論理的な説明が求められますが、本書はその「回答」を用意するために不可欠です。上場企業の経理担当者や、複雑なリース取引(セール・アンド・リースバックや転リース)が多い企業にとっては、お守り代わりの一冊になるでしょう。
| 編者 | 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte) |
|---|---|
| 出版社 | 中央経済社 |
| 価格 | 5,060円(税込)※専門書として標準的 |
| 対象読者 | 上場企業、監査対応担当者、公認会計士 |
主要目次・収録論点
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第1章~第2章 制度概要と借手の処理
- ■新基準の全体像と適用範囲の厳密な判定
- ■リース構成部分と非リース構成部分の区分処理
- ■使用権資産の減損会計(資産グループの判定)
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第3章~第4章 特殊論点と貸手の処理
- ■転リース(サブリース)における中間貸手の会計処理
- ■セール・アンド・リースバック取引の譲渡損益の認識
- ■貸手におけるファイナンス・リースとオペレーティング・リースの分類
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第5章・付録 開示・移行・設例集
- ■注記情報の作成実務(定性的情報・定量的情報の記載例)
- ■適用初年度の累積的影響額の計算プロセス
- ■【付録】網羅的な仕訳例とQ&A集
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まとめ:あなたに最適な1冊を選ぼう
| 目的・対象 | おすすめ書籍 |
|---|---|
| 契約対応・現場実務重視 | 新リース会計の実務対応と勘所 |
| 導入準備・社内調整サポート | 早わかり実務ガイド |
| 監査・仕訳・開示対応重視 | 実務解説 新リース会計基準のすべて |


