経理中級者のためのおすすめ本5冊。経営視点を養う必読書を会計士が厳選

雑記

「日々のルーチンや決算実務には慣れてきたけれど、数字の背景にある『意味』を語れない」
「経営陣から『で、この数字はどう経営に活かせるの?』と聞かれると、答えに詰まってしまう」

経理実務を一通りこなせるようになった中級者が次に目指すべきは、単なる「数字の集計者」から脱却し、数字を武器に未来を創る「経営のパートナー」へと昇華することです。

🚀 中級者が「一皮むける」ための5冊の基準

  • ① 理論:基準の「なぜ」をロジックで語るためのバイブル
  • ② 管理:過去の集計ではなく「未来の意思決定」を支える技術
  • ③ 価値:投資判断や資本コストなど「企業の価値」を測る視点
  • ④ 分析:決算書の裏にある「ビジネスモデル」を透かし見る力
  • ⑤ 戦略:数字を「経営の言葉」に翻訳し、戦略へ繋げる思考法
👩🏻‍💻

編集長(公認会計士)のコメント

中級者にとっての読書は「知識の暗記」ではなく「視座の獲得」です。
今回は、私自身もキャリアの転換点で大きな影響を受けた、経営参謀・CFOの視点を持てる5冊を厳選しました。これらを読み終える頃には、社内の数字が全く違った景色に見えてくるはずです。

1. 会計の「なぜ」を理論で解き明かすバイブル 財務会計講義(第26版)

公認会計士の視点:本書の評価

日本の会計学における「最高峰のテキスト」であり、プロを目指すなら避けては通れない一冊です。最新の第26版では、リース会計の改正動向やサステナビリティ開示など、実務に直結する最新トピックが網羅されています。

中級者が直面する「基準の解釈」の悩みに対し、「なぜこのルールが必要なのか」という会計の本質的な機能からロジカルに回答を与えてくれます。単なる実務処理の暗記を卒業し、プロとしての深い思考を身につけるための「聖典」といえます。

💡 こんな人におすすめ
  • ✔ 最新の会計基準を、理論背景から深く正しく理解したい人
  • ✔ 監査法人との議論において、論理的な根拠を必要としている人
  • ✔ 税理士・会計士試験など、一段高い専門性を目指す人

📚 主な目次

  • 第1章:財務会計の本質(会計の機能と法的規制)
  • 第2章:財務会計の概念フレームワーク(資産・負債の本質的定義)
  • 第3章:収益認識の会計(新基準に基づく収益の捉え方)
  • 第4章~第8章:資産会計(金融資産、棚卸資産、有形・無形固定資産)
  • 第9章~第11章:負債・純資産会計(引当金、資本の構成)
  • 第12章~第14章:決算報告と連結財務諸表

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2. 未来を予測し、経営を動かす数字の技術 管理会計入門

公認会計士の視点:本書の評価

「集計して終わり」の経理から、「未来の意思決定」を支えるパートナーへ。本書は管理会計の核心を、新書サイズとは思えない密度で鋭く解説しています。

損益分岐点分析や予算管理といった定番手法はもちろん、組織を動かすための「動機づけ」や評価指標の設計についても触れており、非常に実践的です。事業部門に対して「数字をどう使い、どう動くべきか」という具体的なアクションを自信を持って提案できるようになります。

💡 こんな人におすすめ
  • ✔ 月次の予実管理を、分析・提言レベルまで引き上げたい人
  • ✔ 原価管理やコストマネジメントの仕組みを体系的に学びたい人
  • ✔ 「現場で役立つ数字」の見せ方に悩んでいる担当者

📚 主な目次

  • 第1章:管理会計とは何か(経営管理における役割)
  • 第2章:利益計画とコスト管理(CVP分析の実践)
  • 第3章:予算管理の仕組み(PDCAを回すためのポイント)
  • 第4章:意思決定のための会計(有利な代替案の選択方法)
  • 第5章:業績評価の管理会計(組織のパフォーマンスを測る)
  • 第6章:最新の管理会計手法(BSC、活動基準原価計算など)

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3. 「投資の価値」を論理的に説明する武器 道具としてのファイナンス

公認会計士の視点:本書の評価

「会計」と「ファイナンス」の決定的な違いは、時間軸とリスクの捉え方にあります。中級者以上の経理にとって、企業の将来価値を算定する知識は不可欠な「教養」です。

本書は、DCF法やWACCといった専門用語を、数学的な知識がなくても腹落ちできるレベルまで噛み砕いて解説しています。「この投資は本当に儲かるのか?」という問いに、客観的なロジックで答えを出せるようになる、ファイナンス実務の金字塔的入門書です。

💡 こんな人におすすめ
  • ✔ 新規事業や設備投資の採算シミュレーションを担当している人
  • ✔ 株価や企業価値がどのように決まるのかを理論的に知りたい人
  • ✔ 「ROE」や「資本コスト」をキーワードに経営層と対話したい人

📚 主な目次

  • 第1章:ファイナンスとは何か(会計との視点の違い)
  • 第2章:お金の時間価値(現在価値と将来価値の計算)
  • 第3章:リスクとリターン(分散投資とCAPMの基本)
  • 第4章:投資の意思決定(NPV法とIRR法を使いこなす)
  • 第5章:資金調達と資本コスト(WACCの求め方)
  • 第6章:企業価値の評価(マルチプル法とDCF法)

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4. 数字の「裏」にある経営の真実を読み解く 決算書の読み方 最強の教科書 決算情報からファクトを掴む技術

公認会計士の視点:本書の評価

決算書を「読める」と豪語する人は多いですが、本当の意味で数字から企業の「ファクト(事実)」を掴み取れる人はごくわずかです。本書は、表面的な財務諸表の知識を超えた、真の分析術を伝授してくれます。

単に収益性が高い、低いという話ではなく、「なぜその数字が出るのか?」というビジネスモデルとの相関を説得力のあるロジックで解説。B/SとP/Lを統合して読み解く視点は、監査のプロフェッショナルに近い領域まで読者の視座を引き上げてくれます。

💡 こんな人におすすめ
  • ✔ 有価証券報告書の数字から、企業の「生の実態」を透かし見たい人
  • ✔ 経営陣に対して、財務数値に基づく鋭い提言を行いたい人
  • ✔ 他社の決算書をベンチマークし、自社の戦略立案に活かしたい人

📚 主な目次

  • 第1章:損益計算書(P/L)から「儲ける仕組み」を読み解く
  • 第2章:貸借対照表(B/S)から「企業の安定性」を読み解く
  • 第3章:キャッシュ・フロー計算書から「企業の寿命」を読み解く
  • 第4章:決算書を繋げて「ビジネスの現場」をイメージする
  • 第5章:事例研究:成長企業と衰退企業のファクトを掴む

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5. 会計を「守り」から「攻め」の戦略に変える 武器としての会計思考力 会社の数字をどのように戦略に活用するか?

公認会計士の視点:本書の評価

「経理の数字は面白くない」と思っている方にこそ、このパラダイムシフトを体験してほしい。本書は、会計を単なる報告の手段ではなく、競争に勝つための「戦略的な思考フレームワーク」として再定義します。

なぜアップルの利益率はこれほど高いのか? なぜ小売業と製造業では資産の持ち方が違うのか? こうした問いに会計の視点から光を当て、「戦略的P/L」「戦略的B/S」という考え方を提唱します。これを読み終えたとき、あなたは経営陣と同じ言語でビジネスを語れるようになっているはずです。

💡 こんな人におすすめ
  • ✔ 財務数値をビジネスの現場の言葉に翻訳して伝えたい人
  • ✔ 自社のビジネスモデルの強みを、数字で証明したい人
  • ✔ 会計知識をベースに、経営企画やCFOを目指したい人

📚 主な目次

  • 序章:なぜ今、「戦略的」な会計思考が必要なのか
  • 第1章:戦略的P/Lを構築する:高収益体質の秘密を解く
  • 第2章:戦略的B/Sを読み解く:企業の「リソース」を最適化する
  • 第3章:キャッシュ・フロー思考:ビジネスの持続可能性を見極める
  • 第4章:会計思考を戦略へ:M&Aや新規事業への応用
  • 終章:会計思考力でキャリアを劇的に変える

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数字を武器に、ビジネスの主役へ

いかがでしたでしょうか。経理・会計のスキルは、一度身につければ業界や時代を問わず一生使える「最強の武器」になります。

最初は目の前の数字を合わせることに精一杯かもしれません。しかし、一歩ずつ知識を積み重ねていくことで、必ず数字の向こう側にある**「ビジネスの熱量」や「企業の戦略」**が見えるようになってきます。

一度にすべてを理解しようとする必要はありません。まずは今日、一番気になった1冊を机の上に置いてみることから始めてみてください。

その小さな一歩が、あなたが「会計プロフェッショナル」として
信頼される未来への、確実な第一歩になるはずです。

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