「インボイス制度が始まってから、事務作業が倍増した気がする……」
「特例がいろいろあるけれど、結局ウチはどれを使えば一番お得で楽なの?」
日々の業務に追われる小規模事業者や経理担当者の皆様、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
インボイス制度には負担軽減のための激変緩和措置として「2割特例」や「少額特例」などが用意されています。しかし、制度が複雑なため、自社がいつまで恩恵を受けられるのかを正確に把握するのは容易ではありません。今の負担を減らしつつ、将来を見据えた賢い選択にお役立てください。
編集長(公認会計士)のコメント
インボイスの特例は「知っているかどうか」だけで税金や事務量に数百万円単位の差が出ることもあります。特に2割特例は事前の届出が不要なため、申告直前に気づいても適用可能です。ただし「期限」があるため、今のうちに出口戦略を立てておくことがプロの経理への第一歩です。
⚡ 本記事で解説する「特例」のポイント
- 2割特例: 免税から課税になった方の納税額を「売上税額の2割」に抑える
- 少額特例: 1万円未満の経費ならインボイス保存がなくてもOK
- 期限管理: 特例が終わる「2026年」と「2029年」への備え
【判定】あなたに最適な特例はどれ?
自社が活用すべき制度を判断するための簡易チェックリストです。現在の最適解を探ってみましょう。
Q1. 2期前の課税売上高は「1,000万円以下」ですか?
➡ Yesの場合: Q2へ進む
➡ Noの場合: 2割特例は使えません。Q3へ進んでください。
Q2. インボイスを機に免税事業者から「課税事業者」になりましたか?
➡ Yesの場合: 【2割特例】の対象です!
➡ Noの場合: 簡易課税制度などの選択を検討しましょう。
Q3. 2期前の課税売上高は「1億円以下」ですか?
➡ Yesの場合: 【少額特例】の対象です!
➡ Noの場合: 原則通り、全領収書のインボイス保存が必要です。
2割特例:最強の税負担・事務軽減措置
インボイス制度を機に免税事業者から課税事業者になった方にとって、最も強力な制度が「2割特例」です。
▼ メリット
- 売上消費税の2割を納めるだけで完結
- 仕入れの領収書集計が不要(事務負担減)
- 事前の届出書が不要
▼ 注意点(期限)
適用できるのは令和8年(2026年)9月30日の属する課税期間までです。その後は「本則課税」か「簡易課税」のシミュレーションが必須となります。
少額特例:事務負担を減らす「1万円」の壁
売上高1億円以下の中小企業の事務を助けるのが「少額特例」です。
📝 少額特例で「インボイス保存」が不要になるもの(税込1万円未満)
- ✅ 銀行の振込手数料(毎回届くハガキの管理が不要に)
- ✅ コンビニでの少額の備品・消耗品購入
- ✅ 電車代・タクシー代などの近距離交通費
※この特例は令和11年(2029年)9月30日まで適用可能です。
特例終了後を見据えた「中長期計画」
特例はいつか終わります。制度終了のタイミングでパニックにならないよう、以下の準備を徐々に進めましょう。
- 会計ソフトの刷新: 自動でインボイス判定ができるツールへ切り替え、手作業を減らす。
- 簡易課税の検討: 2割特例終了後に備え、自社の「みなし仕入率」が有利かどうかを確認しておく。
- 取引先の整理: 免税事業者との取引条件を、3年後・6年後の経過措置終了に合わせて見直す。
自社に合った「特例」を使いこなし、無理のない体制へ
インボイス制度は複雑ですが、小規模事業者向けの特例を上手く組み合わせることで、
直近数年間の負担は大幅に減らすことができます。
- 2割特例: 免税から課税になった方は必須(令和8年まで)
- 少額特例: 売上1億円以下なら1万円未満の確認を省略(令和11年まで)
midorichi.comより
インボイス制度や電子帳簿保存法など、経理を取り巻く環境は日々変化しています。「自分の会社はどうするのが正解?」と迷われた際は、ぜひmidorichi.comの最新コラムをご活用ください。複雑な制度をわかりやすく紐解き、あなたのビジネスの成長をバックアップします。


