リース会計基準IFRS16の適用にあたって、ある契約が「リース」に該当するかどうかを判断することは非常に重要です。特に、契約上の使用権やサブリース(転貸)禁止の条件がどのように影響するのか、多くの実務者から疑問が寄せられています。
今回は、IFRScommunityのフォーラムでのやりとりをもとに、
「リース契約の認識条件」と「独占的使用権およびサブリース禁止の意味合い」についてわかりやすく解説します。
1. IFRS16でリース契約と認められるための3つの条件
IFRS16では、契約がリースに該当するためには主に以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 特定された資産が存在すること
賃貸対象の資産が特定されている必要があります。 - 契約者にその資産を使用する「支配権(コントロール)」があること
契約者が資産の使用方法を決める権利を持つこと。 - 契約者が資産の使用から実質的にすべての経済的利益を得る権利を有すること
資産の使用によって得られる経済的利益を享受できること。
2. 独占的使用権とサブリース禁止の関係
ここでよくある質問が、「契約にサブリース禁止(転貸禁止)の条項がある場合、この契約はリースに該当するか?」というものです。
結論としては、
サブリース禁止の条件があっても、「独占的に使用する権利」があればリースに該当します。
つまり、サブリース(他者に貸すこと)は資産の使用とは異なり、禁止されていても契約者自身が資産を独占的に使用できるならば、「実質的にすべての経済的利益を得る権利」が満たされていると判断されます。
3. まとめ
- IFRS16のリース認識は、「使用の支配権」と「経済的利益の実質的享受」がカギ。
- サブリース禁止の条項があっても、契約者が資産を独占的に使用できればリースに該当。
- 実務では契約書の内容をしっかり確認し、権利と義務の範囲を明確に把握しましょう。